社労士試験に合格したらいよいよ社会保険労務士として登録し活動できる!
という訳ではなく、2年以上の実務経験を証明するものが無いと登録することは出来ません。
しかし、その2年の経験を研修で補ってやるよ!という便利な制度があります。
それが事務指定講習です。
事務指定講習は、社労士試験合格者のみに参加資格のある優遇制度です。
実際に事務指定講習を受講してきましたので詳細をお伝えします。
社労士事務指定講習
事務指定講習とは?
事務指定講習とは、社労士に必要な2年間の実務経験を講習制度を受講することでカバーすることが可能になる制度です。
事務指定講習は、全国社会保険労務士協会が実施していて年に1回実施されます。
講習の内容は以下の2つです。
- 通信指導過程
- 面接指導過程
面接指導過程は、東京で2回、大阪、福岡、愛知の計5回実施されどこかで1度受講すればOKです。
2つの過程の詳細は後程解説します。
料金は7万7千円(2019年時点)です。
この金額が高いと感じるかどうかは受講する方の間隔でしょうね。
個人的には2年の実務経験を買えると思えば、それほど高額とは感じませんでした。
事務指定講習の申し込み
事務指定講習の申し込みは、社労士試験の合格発表があった11月の中盤から12月の初旬くらいまでの期間で募集があります。
そのため、合格した後あまり考える余裕もなく実施されるので、早めに判断する必要があるので要注意。
事務して講習の申し込みは、こちらの全国社会保険労務士協会のページをご覧ください。
もちろん翌年以降に受講する事も可能なので、別にあわてる必要はありませんが、1日も早く社労士として活動したい方は迷っている時間はありません。
面接指導過程は平日の9:30から16:30の間で4日間実施されます。
会社員であれば4日間の休みを都合つけなければイケませんのでご注意ください。
通信指導過程
事務指定講習に申し込むと2月~5月末までの4か月間で、通信指導を受講する必要があります。
どんな事をやるのかというと、社労士の実務に必要な29の事例が届き、その事例に記載していくという形です。
健康保険の届け出とか36協定の届け出など、実際の実務で使用する各種形式を書き込む研修です。
キチンとサンプルも用意されていますので、難しいどころかむしろ簡単ですのでご安心ください。
多少悩む部分もありますが、手を動かすことで試験勉強だけでない知識が身に付きます。
また、この通信課程がダメだから事務指定講習を落とされる!という話はあまり聞いたことはありません。
つまり合否のようなものはなく、確実に期日内に仕上げて提出すればほぼ問題ないでしょう。
提出後、数週間から数か月の間に提出した資料の手直しや指摘コメントが郵送されてきます。
特に問題がなければ、この時点で通信指導過程は完了となります。
面接指導過程
そして次に面接指導という難関が残っています。
面接と言ってもお偉い社労士の先生と個別面談するという訳ではありません。
大きなセミナールームのような施設を借り切り、各科目ごとに講習を受けるのがこの面接指導です。
6月~9月にかけて東京・大阪・名古屋・福岡の4都市で計5回実施され、このどこかで1度受験する必要があります。
どこか?って自分の地元の近くでみんな受けるんでしょ?
そう思っていましたが、どうしても予定が付かず九州在住の方なのに東京で受講しているという方も数名いらっしゃいました。
東京は例年6月から9月にかけて2回開催されるんですが、この日程調整が大変です。
原則火曜日から金曜日の4日間、9:30~16:30の間で開催される講義に全て休まずに出席しないと修了証が貰えません。
なので、実務経験のない社労士試験受験生は、受験した年と翌年の夏休みを丸々つぶすことになってしまいます。
私の時は8月のど真ん中で開催されたため、その年の夏休みはすべて事務指定講習でつぶれてしまいました。
受験で夏休みをつぶし、事務指定講習で夏休みをつぶし・・・
家族から顰蹙を買ったことを今でも覚えています。
面接指導の内容は、労働基準法や労災、健康保険や厚生年金といった社労士試験で学んだ各法律に関して、実務的な観点から再度勉強しなおす場と考えてください。
現役の社労士が登壇し講義を実施しますが、面白い講師とぶっちゃけそうでない講師もいて、退屈する事もあったり、楽しく感じることもあったりします。
実務に関するリアルな話とか、理想と現実のギャップなどいろんな話を聞くことができます。
今考えればあっという間の4日間でしたが、さすがに2日目、3日目頃はかなり苦痛に感じたことを覚えています。
気になる会場の状況ですが、筆者は東京の8月の講座を受講したましたが、座席は3人掛けの机にフルで着席してほぼ満席状態です。
もっと余裕のある会場をおさえてくれればいいのに・・・
という気持ちがなくもなかったですが、社労士として活動するためにはこんな我慢も必要です。
真夏になんでこんな事をしているんだろう?と考えると虚しさを覚えるかもしれませんが、社労士として登録するためには通らなければならない道なのです。
講習後の交流
事務指定講習後に社労士同士の横のつながりを作ろう!
という趣旨の交流会はいろんな形で実施されているようです。
筆者はたまたまその日に別件があったため参加できませんでしたが、交流を持ちたいという人は参加しておくといいのではないでしょうか?
最近はFacebookというで繋がりを持つこともできますので、事前に情報を仕入れておくといいでしょう。
ただ社労士のつながりなんてそんな時じゃなくても出来ますので、無理して事務指定講習時に交流を深める必要性はそれほどないかもしれません。
現時点で事務指定講習で出会った人たちとの交流はほとんどありませんし、それにより仕事で困ったこともありませんので、あまり無理する必要はないと思います。
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