アルバイトの悪質な動画投稿を防ぐ方法はあるのか?【SNS対策】

大手飲食チェーンのアルバイトがSNSに投稿している悪質な動画が話題になっています。

お玉を股間にあててみたり、捌いた魚をゴミ箱に捨てたり、唐揚げを床にこすりつけたり・・・

呆れてしまうような愚行の数々ですが、このようなアルバイトによる悪質な行為を防ぐ方法はあるのでしょうか?

社労士的目線でいくつかの防止策をお伝えしてみます

アルバイトの悪質な動画投稿を防ぐには?

雇用契約書

アルバイトを採用する際、雇用契約書を発行し署名捺印をもらうはずです。

まずは、この雇用契約書の内容を見直すべきです。

アルバイト用の雇用契約書だからといって、最低限の待遇面や労務面の記載ですませていませんか?

アルバイトだからと言ってあまりにも簡易的な書類しか発行していないと、後々面倒なことになってしまいます。

できれば正社員と同等の雇用契約書を用意しておくべきです。

さらに、その雇用契約書の中に、会社に損失を与えるような行為が発覚した場合、損害賠償を請求することもある。という一文は加えておきましょう。

で、一番大事なことは、この一文をくどいくらい採用時に説明することです。

SNSに悪質な投稿をするような高校生や大学生のアルバイトは、罪の意識がおどろくほど希薄です。

別にバイト辞めりゃイイじゃん!くらいにしか考えてないのではないでしょうか?

もし、会社に損失を与えるようなことになれば、多額の賠償が発生する可能性もある

自分だけじゃなく家族に大きな迷惑をかけることになる。

ことの重要さを採用時にキッチリと伝えておかなくべきです。

採用フィルタ

投稿された動画を見ると、必ず複数のアルバイトによる撮影されています。

数人がふざけて誰かが撮影するというパターンが多いようです。

人間の心理として、一人では歯止めが効くような行動でも、複数の仲間がいると気が大きくなり自制できなくなってしまうことがあります。

ですので、できれば採用時に友人同士の採用や今所属しているアルバイトの友人の採用を避けることで、仲の良い集団での行動を減らすことは可能です。

今は人材難でアルバイトを採用するのが難しい時代ですので、複数人入ってくれるのならまぁいいか・・・

と安易な考えで友達同士を採用するのはとても危険です。

友達同士が絡み合ってしまうと面倒な行動を起こす可能性も高まりますので、できれば採用時点でフィルタすべきです。

スマホの持ち込み

業務時間中の店内へのスマホの持ち込みは禁止してもいいでしょう

これは就業規則で定めておくべきです。

個人の携帯電話、スマホを業務時間中に使用させる権利を与える必要なんてありません。

むしろセキュリティ面も考慮すれば、持ち込ませないというルールを明確にしておくべきです。

もし可能であれば、店長さんが勤務中はスマホを預かるとか、ロッカーがあるのならしまっておくというルールを徹底してください。

店に入り業務を始める前に持ち物チェックをして、スマホを携帯していないことをしっかり確認しておきましょう。

アルバイトだけでの仕事

できれば社員の目が届かないアルバイトだけでの仕事の場を減らす努力もすべきです。

アルバイトだけで清掃させたり、アルバイトだけで調理させたりといった管理の目が届かないシチュエーションは極力減らしたい。

厨房のような閉鎖された空間は、必ず監視カメラを設置して抑止力を効かせましょう。

アルバイトをしている人たちは、まだまだ未熟な学生です。

大人がしっかりと管理してあげないと、暴走する危険がある人たちなのです。

忙しいのはわかりますが、小さな子供のように目を離さないことも事故の防止につながります。

アルバイトを雇う側の方へ

アルバイトで働いている人たちは、正社員のような責任感を持っていません。

お客様のためにとか、会社のためにとか、店の売り上げのためにとか、家族のためにとか・・・

そんな責任から解放されている気楽な立場で仕事をしている人たちなのです。

そんな人たちに、社会的責任とか社会人としての意識なんてものを期待するほうが間違いなのです。

SNSへの悪質な投稿を防ぐには、しつこいくらいの教育と、くどいくらいの管理です。

低賃金のアルバイトを雇うということは、売り上げを上げるというプラス要素もありますが、会社の評判を著しく下げるというリスクも兼ね備えています。

今の時代、SNSへの安易な投稿により壊滅的なダメージを受ける危険もありますので、アルバイトの管理は厳重にしなければイケません。

アルバイトをする方へ

2月8日、くら寿司を運営するくらコーポレーションは、不正な投稿を行ったアルバイトに対して、法的措置の準備に入ったことをHPで公表しました。

2月8日をもって雇用契約を終了し、退職処分としたと同時に、刑事、民事での法的措置の準備に入ったことをご報告いたします。

くらコーポレーションHPより引用

もし、たかが学生のアルバイトだと思っているのであれば、もう一度自分が働いている、給料を貰っているという事を再認識してください。

たかがアルバイトでも、店に出る以上会社の看板を背負っているし、会社の信頼に関わる仕事をしているのです。

今回の軽率な行動によりどれだけの人に迷惑がかかったか理解できますか?

会社の経営層、事業本部、エリアマネージャー、店長、バイトチーフのような責任者は、管理不行き届きということで大きなペナルティを与えられるでしょう。

さらに高額な賠償を請求されたら一体だれが賠償金を支払うのでしょうか?

間違いなく親が面倒見るしかありません。

そして、もし刑事罰がついてしまったら前科がつくことになります。

自分の未来にも大きな傷跡を残すのです。

アルバイトだから、と気軽な気持ちは絶対に捨てなければイケません。

あなたの行動によりどれだけの人が迷惑を被るのか?

もう一度深く考えてみて下さい。