定時後8時間を超えたら休憩を取らなきゃイケないのか?【15分休憩】

ゆとりなサラリーマン

先生、うちの会社定時の18時を過ぎた後、15分休憩を取らなきゃイケないって就業規則で決められているんです。

社労士

そうなんですね。

ゆとりなサラリーマン

コレって労働基準法で決められているって聞いたんですけどそうなんですか?

社労士

いえ、労働基準法ではなく御社の就業規則のルールですね。

ゆとりなサラリーマン

そうなんですか?

実際定時後の残業時間に休憩なんて取れなくて・・・

社労士

なるほど、それはちょっと問題ですね。

定時(8時間)を過ぎた後に休憩時間を与える必要はあるのでしょうか?

定時後の休憩時間

労働基準法で定められた休憩時間

まず労働基準法で定められた休憩時間は以下の3つに分かれると思ってください。

  1. 6時間を超えない労働時間
  2. 6時間を超えて8時間までの労働時間
  3. 8時間を超える労働時間

この3つに対する休憩時間は以下になります。

  1. 6時間を超えない労働時間 → 0分
  2. 6時間を超えて8時間までの労働時間 → 45分
  3. 8時間を超える労働時間 → 60分

つまり、例えば夕方の17:00から夜の22:00まで働くアルバイトのような勤務なら、勤務時間は5時間ですので休憩時間を与える必要はありません。

労働時間を6時間を超える場合は45分の休憩が必要

8時間を超える場合は60分、つまり1時間の休憩が必要になります

この大原則をまずはしっかりと押さえてください。

休憩時間のパターン

ここからはいくつかの休憩時間のパターンを見ていきましょう。

8時間労働

このパターンは一般的な9時出社で18時が終業、昼に1時間の休憩をはさむタイプです。

9時から18時までぶっ通しで働くと9時間となり、8時間を超えますので1時間の休憩が必要になります。

18時を超えて残業が発生したとしても、労働時間で定める休憩時間を取得しているため、労働基準法ではその後さらに休憩時間を与える必要はありません

6~8時間の労働

続いてこのパターンですが、終業時間がちょっと短く17:30となっています。

そして休憩時間もちょっと短く45分。

9:00から17:30まで働くと8時間40分ですが、間に45分の休憩をとっているため労働時間は7時間45分

この場合上述の2のパターンとなりますので、休憩時間は45分でよいということになります。

ですがこのパターンの場合注意が必要です

このパターンの人が、17:30の定時を超えて時間外労働(残業)が発生した場合、17:45を超えた時点で労働時間は8時間を超えてしまいます

そのため17:45を超えた時点で1時間の休憩を取得させるために、プラスアルファ15分の休憩を与えなければいけないのです

社労士

多くの方はこの追加の15分の休憩時間を「定時を超えたら与えなければいけない休憩時間」と勘違いしているようですが、そもそも1時間の休憩を与えているのであれば、追加で与える必要はありません。

就業規則に決められている場合

もう一度休憩時間のおさらいをしてみましょう。

  1. 6時間を超えない労働時間 → 0分
  2. 6時間を超えて8時間までの労働時間 → 45分
  3. 8時間を超える労働時間 → 60分

これが与えなければいけない休憩時間ですが、逆に言えばこれ以上の休憩時間を与える義務はありません

つまり、8時間労働で1時間の休憩時間を与えているのであれば、急な残業で労働時間が10時間を超えても15時間になっても、追加の休憩を与える必要はありません。

ですが、独自の就業規則で8時間を超えた場合休憩を与えるとなっているのであれば、休みを取るべきです。

しかし、職場によっては忙しい残業の最中に休憩なんて取れないよ!というケースもあるでしょう。

とはいえ、休憩時間は労働基準法を超えて会社が社員の負担を軽減するために与えている時間ですので、積極的に休む努力はすべきと考えられます。

休憩時間を取得してないのに超過分が支払われない場合

定時後残業が発生したら追加の休憩時間を与えると就業規則に定めるのは良いことだと思います。

ですが、実際は休憩していないのにその分の超過分を支払わないのは問題です

この問題は大きく2つに分かれると考えられます。

  1. そもそも休憩時間を取れるような状況じゃない
  2. 休憩時間を与えているのに取得しない

まず2のケースから解説しますが、例えば18時を超えたタイミングでチャイムが鳴り、ラインが止まったり、電気が消えたりと休憩時間を取るような体制になっているのに、自分だけ働くようなケース。

このケースの場合は、休憩時間に自主的に勤務しているだけですので、超過分の支払いがなくても文句は言えないと考えてください。

逆に1のようなケースで、8時間を超えて休憩時間に入ってはいるが、客が押し寄せてきて休めないだとか、トラブル対応で休む時間がとれるわけがない。

このような場合は、明らかに休憩を取得していない、できない状況ですから、超過時間分はキッチリ支払わなければいけません

さらに明らかに定時後の休憩時間というのが荒唐無稽になっているようであれば、就業規則の変更も検討すべきでしょう。

まとめ

原則として与えられている休憩時間は、社員もしっかりと休みを取るべきです。

とはいえ、明らかに休憩を取ることができない状態なのに、就業規則で定められているからという場合は、就業規則の改善も含めて上司などに相談を持ち掛けるべきでしょう。