社労士試験と社労士の実務は全くの別物なのか?

社会保険労務士試験と社労士のお仕事って全くの別物なのでしょうか?

一生懸命勉強して社労士になったのに、試験とは別物なのでは何のための試験なのか?という感想を抱く人もいるかもしれません。

今回は社労士試験と社労士の実務に関してお伝えしていきます。

社労士試験と実務

最近の試験

2016年社会保険労務士試験を全問解いてみると、試験と実務はもちろん別物だが、社労士試験も実務に即した出題方法を考慮してきているなぁと感じます。

例えば労働基準法の6問目に割増賃金の基礎になる金額の計算問題が出題されましたが、試験勉強ばかりやっていると意外と盲点です。

ですが実際の実務では当たり前に必要な部分ですので、試験対策をしなくても解けるようになっておきたい問題です。

労災においても業務起因性の事例に関する問題が出題されていますので、この辺りも実業務を想定した出題になっていことが伺えます。

徴収法の計算問題も最近はあまり出題されませんが、計算のロジックは実務でも大事な部分ですので、試験問題を通して理解しておく必要はあるでしょう。

試験の知識と実務

社労士試験に限らず、資格試験と実務というのはリンクする部分はありますが、資格試験は実業務の手引書ではありませんので、資格に受かったからと言って実務が出来るわけではないのは当たり前の話です。

社労士の場合は、給与計算をするのであれば、資格試験に出てくる社会保険の知識は当然必要ですが、試験範囲ではな所属税や住民税に関する知識も必要になってきます。

これからはマイナンバーの取り扱いも必要になるため、個人情報保護法の知識も必要です。

社労士が主に取り扱う助成金に関する話も試験問題には含まれません。

資格試験は、その分野の業務を専門で取り扱うに辺り、必要最低限の知識を有しているか?を問うためのものですので、試験に受かるイコールその分野でいきなり活躍できる事を約束するものではありません。

合格後

資格試験は、合格した後の方が大変です。

試験問題は必ず正解がありますが、社労士の実務は正解のないものと対峙しなければいけないシーンも多々あります。

経営者の悩み、労働者の悩みは様々ですので、そんな複雑な問題と向き合うのが社労士の実務です。

開業社労士であれば、当然経営の知識も必要になってきますし、年々変わる法改正にも対応していかなければいけません。

ですが、やっぱり大事なのは資格試験に出題される範囲の基礎知識だったりします。

ベースになる知識がしっかりしていないと、その上に階層を積み上げていくことは出来ません。

資格試験は、その後の地層を積み上げていくための大事な基礎知識を養う場です。

実務と無関係な試験なんて受かっても意味ないじゃないか?という考え自体が無意味です。

まずはベースを作るための社労士試験を突破し、その後そのベースの上にそれぞれの社労士の塔を築き上げていくべきです。


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