定年後の起業は資格さえあれば何とかなる!ではどうにもなりません

定年後は、今の会社に再雇用されたくない。

とはいえ、再就職でほかの会社に採用される望みも薄い。

となれば、老後は起業するなり独立するなりという選択肢が頭をよぎります。

定年後に、資格さえ取ってしまえばなんとかなる

資格を取れば仕事がもらえる!

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180615-00000001-nikkeisty-bus_all

というような考えで資格試験の挑戦にすべてをささげたところで、残念ながらその苦労は徒労に終わります。

資格を取ればなんとかなる

資格に受かれば仕事は取れる?

資格さえあればなんとかなる。

という考えで定年退職後や現役の最中に資格試験に没頭する人は、まだまだ多いようです。

もちろん資格というものには大きな価値があり、特に税理士や社会保険労務士、中小企業診断士といった資格は、老後に活躍できる資格として大きな価値を持っています

ですが、この資格さえあればなんとかなるという思いは、今の時代どころかかなり前から通用しない考え方になっています。

例えば弁護士。

いわゆる新司法試験の採用により、弁護士の数は2006年をピークに増え続けています。

日弁連ホームページより参照

ですが、弁護士の数が増えたからと言って訴訟の数が増加するわけではありません。

こんな時代にただ弁護士という資格を前面に押し出し、事務所の前に看板を掲げているだけでは事務所の経営は成り立ちません。

歯科医なども同様のケースです。

歯科医といえば、一昔前は花形の資格で誰でも歯科医になり開業すれば成功する時代がありました。

一説では、全国の歯科医院の数はコンビニよりも多いなんて話も聞きます。

でも歯科医だってもはや開業すればだれでも稼げる時代ではありません。

健康志向や市販の虫歯防止用品が進化し、虫歯の患者は年々減少しているそうです。

そのため、歯科医は歯列矯正の技術を売りにしたり、インプラントの技術を押し出したり競争がし烈になっています。

つまりは、弁護士にしても歯科医にしても、もちろん税理士、公認会計士、司法書士、行政書士、中小企業診断士、社会保険労務士といった資格業で食っていこうというのであれば、資格を有効活用したビジネスを展開していかないと勝ち残ることはできません

資格なんて必要ない人

ある税理士先生は、税理士の資格を取得後、一切の実務をやっていないそうです

税理士の業務といえば、税金の計算、節税のアドバイス、記帳、会計のアドバイス、決算書の作成、確定申告の手続き、年末調整など様々な実務がありますが、一切やったことがないというか、もう今更できないと豪語していますw

では彼は何をやっているのか?

実務は事務所の税理士や社労士にまかせて、自分はずっと営業活動をしています

1年365日というと大げさですが、ほとんど事務所には顔を出さず新規顧客の開拓、さらに既存顧客からの案件の掘り出しなど、日々精力的に動いています。

彼はもはや実務を行う税理士じゃありません。

税理士事務所という事務所の経営者

そもそも彼は税理士という資格を取る前から税理士の実務には興味がなかったんだそうです。

それではなぜ彼は税理士の資格を取ったのか?

それは税理士というブランドを利用して、営業活動を円滑に進めるため。

だったんだそうです。

彼の中には、税理士というビジネスモデルは資格取得前からあり、そのビジネスを成功させるために手っ取り早く自分で資格を取ったんだとか。

ですが今になって思うと資格取る必要なかったかな?

人がとった資格を利用して自分は営業やればよかった!と語っています。

この税理士先生は、税理士という資格を単なる名刺代わりにしか使っていません。

税理士という資格に依存してないんです

資格が食わしてくれる訳ではない。

資格を有効利用してビジネスを展開すれば、国家資格というブランドはピカピカに輝くダイヤモンドになるのです。

だから資格さえ取れば!

資格さえあれば!

資格試験に合格さえしてしまえば!

という気持ちでは十中八九事務所の経営を成功させることはできないでしょう。

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まとめ

資格試験というのは、使い方次第ではダイヤモンドのような価値があり、利用方法を誤れば河原の石ころ程度の価値しかありません。

定年退職後に全くのノープランなのであれば、とりあえず資格を取るという考えはとても危険です。

そもそも資格なんて働きながらでも取れるもの。

中小企業診断士、行政書士、社労士あたりの資格は、仕事を辞めてまで取るような資格ではないんです。

だからこそ、老後に資格でビジネスを立ち上げたいのなら定年する前に取得しておくこと。

そして資格を利用したビジネスモデルを考えておくこと。

これがとても大事なことです。

資格さえあればどんな料理だってできるというような万能な調理器具ではありません。

使い方次第では、ほかの器具では真似のできない料理を作ることができる。

そんな立ち位置なのが資格なのです。

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