なぜ幹部会議で管理職は意見を言わなくなってしまうのか?

1か月単位とかクォーター単位で管理職を集めて幹部会議を実施している会社は多いでしょう。

ですが、せっかく貴重な時間を割いて会議を開催しているのに、社長の思ったような意見が出てこないという経験はありませんか?

管理職は、社員の中から選りすぐられたスタッフ達。

その管理職を集めた会議なのに、建設的な意見や批判でもいい、ガンガン意見を交換したいのにほとんど意見が出てこない。

なぜ幹部会議で管理職は黙り込んでしまうのでしょうか?

その理由は2つに収束されるのです。

幹部会議で意見が出ない2つの理由

建設的な意見

もっと会社をこうしていきましょう!

新しいビジネスを開拓するためにこうしましょう!

というような建設的な意見が積極的に出てこないのはなぜなのか?

それは、自分の仕事が増えるからです。

社長、今この市場が広がっています。今後この分野の事業を広げていきませんか?

と管理職から意見が出たとき、社長さんならどうしますか?

よーし!お前に任せた!予算は確保しておくからやってみろ!

と全権委任できますか?

おそらくそんなスピード感のある社長さんは少ないはずです。

多くの社長は「その市場が伸びているのは分かった。その分野に参入してわが社にどんなメリットがあるか?勝算はどのくらいなのか?次回発表してくれ。」

というようにワンクッション入るはずです。

そりゃそうです。

管理職とは言え一人の社員。

その一人の社員の思い付きのような発言に全部乗っかるわけにはいきません。

市場を分析し、自社の技術、リソースを照らし合わせ、業界参入の可否を判断する。

これが当たり前。

ですが、管理職にとってはそれが面倒なのです。

ただでさえ忙しい日々なのに、また市場調査及び分析資料の作成という仕事が増えてしまうのです。

仕事が増えるのは嫌だから会議では極力静かにしてるのです。

そして、同僚たちとお酒を飲みに行った席で「うちの会社はもっとこの市場に攻め込まないとダメなんだよ!社長が尻込みしてるから成長しないんだよなぁ。」

などと愚痴るのです。

自分のタスクが増えることを恐れるあまり、会議ではみんな無口になる

これじゃ建設的な意見なんて出てこないものです。

このような事象を解決する手段としては、リソースを提供してあげる。

その上で全権任せてみる!といいかもしれません。

さすがに思い付きだけで全権任せて丸腰で参入するのはリスクが高すぎる。

そこで、分析を担当する人を一人つけてあげるのです。

もちろん社内にそんなリソースが余っていたらの話なんですが、これにより管理職の負担は大きく軽減されます。

管理職が分析から資料作成まで、すべてやらなきゃいけないとなると必然的に業務過多になります。

上手く必要な人材をアサインしてあげれば、負荷も下がり建設的な意見がもっと出てくる可能性が高まります。

そして必要なのは、分析結果を判断し参入するという決断をされたのであれば、権限を委譲することです。

権限をもって自分の責任で業務に当たらないと社員が成長することはありません。

社長から見れば頼りないかもしれませんが、あえて突き放すことにより社員は格段に成長することができます。

そうなれば、会社の基盤がドンドン強くなっていくはずです。

批判的な意見

続いて批判的な意見です。

社長が考えた案や施策に対してそれじゃ何か意見はないか?

批判でもいいからドンドン意見を言ってくれ?

と言ってもおそらくほとんど意見は出ないでしょう。

それは言っても意味がない!ということを知っているからです。

物事には肯定的な意見もあれば批判的な意見も当然あるはずです。

賛否両論の賛だけでは単なるおべんちゃらにしかなりません。

否の意見が出てこないことには、資料や施策をブラッシュアップすることはできません。

それなのに意見が出ない。

だって社長に意見しても伝わらないし、てか怒るだけだし。

ということを管理職はすでに知っているのです。

社長さん、管理職や新人社員を頭ごなしに叱りつけた経験はありませんか?

え?社長に言われたから実施したのに、社長に言われた通りやっただけなのに。

すると社長はこう叱りつけます!

時と場合を考えろ!!

言われたことをそのままやるだけじゃ仕事任せてる意味ないだろ!

もっと自分の頭で考えてから行動しろ!

こういわれた社員は、この社長理不尽大魔王だなというレッテルを貼り付けます。

そして悟ります。

この社長に何を言っても伝わらない

どうせ意見に指摘を出しても感情的に罵倒されるか、違う話にすり替えられて流されるだけ。

それなら黙ってた方がいいや。

と思うようになり、発言しなくなるのです。

批判的な意見が欲しい。

もっと活発な議論がしたい!

のであれば、社長さんはその会議に参加しない!というのも一つの手かもしれません。

意外と管理職ともなれば、会社の未来を考えています。

もっとどうすればよくなるのか?模索しているものです。

そこに賭けてみるというのも一つの方法でしょう。

自分がいることで活発な議論ができないのであれば、その会議から退いてしまえばいい。

そして議事録や決定事項を社長が確認して決済すればいいのです。

まとめ

会議は複数人のスケジュールを一気に奪う行為です。

ただ集まって雑談だけを繰り広げていては機会の損失にしかなりません。

会議という貴重な時間を有効に利用するためにも、今一度会議のやり方を考え直してみるといいかもしれません。