早いもので社労士事務所を開業して3年目に突入しました。
当事務所はスモールスタートを予定していたため、ここまでは特に大きく売り上げを伸ばそうとはしてきませんでした。
ですので3年目になっても売り上げは小さくほぼ横ばい。
しかしこれからさらに大きくしていくためには、さらなる努力を積み上げる必要があるでしょう。
頑張らなければいけません。
さて、話は変わって社労士として独立・開業するためにはどうすればいいのか?
世間一般で言われている常識は本当なんでしょうか?
社労士開業のリアル
数年間は食えない
社労士に限らず士業で独立するためには、数年間は食えないからその分の蓄えをしておいてから独立した方がいい。
という話はよく聞きます。
これって確かにリアルでしょう。
いきなり仕事がバンバンとれて開業できる人っていうのは、以前所属していた事務所からお客さんを抱えて独立するケースくらいじゃないでしょうか?
初年度からガツガツと仕事が入ってくるというのは、士業の特徴としてあまり期待しない方がいいでしょう。
それじゃやっぱり3年くらい食えるくらいの蓄えをしてから独立した方がいいの?
となるとそれは話が違うでしょう。
久しぶりに社労士関連の書籍を購入してみたんですが、その中にとても興味深い内容がありました。
竹内先生は「社長を守る会」という独自のコンセプトを掲げて、事務所をどんどん拡張しているやり手の先生ですが、自身の著書「こんなにおもしろい社会保険労務士の仕事」の中でこのように記されています。
よく独立本に、1年分の生活費を貯めてから独立すべし(略)いろいろ書いてありますが、創業期には全く役に立ちませんね。かえって間違いだらけのアドバイスでしょう。
竹内先生は、開業当初仕事のないころは派遣やアルバイトで食いつなぎ、空いた時間で勉強したり、営業したりしながら徐々に業務を広げていったようです。
開業時にはすでに結婚しお子様もいらっしゃったようですが、このバイタリティは見習いたいですね。
確かに蓄えをしてから独立しようなんて考えてたらいつまでたっても独立なんてできません。
1年分貯まった・・・けど1年分じゃ不安だからもう1年分。
いやそれじゃ不安だから・・・なんて言っていたらあっという間におじいちゃん。
食っていくだけならなんとでもなる。
逆にもう後戻りは出来ないというくらいのプレッシャーがかかった方が身が入るのかもしれません。
独立前に修行をすべきか?
これも竹内先生の書籍をみて驚いたんですが、竹内先生は社労士としての実務経験もなく、当然開業塾だとか修業期間も経ずにいきなり独立して成功を収めています。
以前、ある社労士の開業セミナーをやってらっしゃる先生と酒席を一緒にしたのですが、その先生もついうっかりこんなことをポロっと漏らしていました。
「たまにウチの事務所で修業させてくれってくるんだけど、ノウハウを盗むためだったらうちの事務所には入れないよ。だいたいそんなマインドの奴は独立したって成功しないよ。」
開業セミナーを実施されている先生だというのにかなり爆弾発言ですねw
でも、まさにその通り。
私の場合も、独立するまでさんざん悩みましたが、開業したきっかけは友人の会社の是正勧告。
これは何とかしなければ、と思い翌月には開業登録を出していた。
修業経験もなく総務部門での実績もないが、とのかく勢いで開業しちゃった。
そんな思い切りも大事。
お金の面もそうですが、じっくり準備をしてからなんて考えてたら独立はままならない。
役所の近くに開業
これは特に検証するまでもなく明らかな昔話です。
電子申請が主流になってきた昨今、労基署やハローワーク、年金事務所近くに事務所を構える必要なんて全くない。
開業場所なんてそれこそどこでもいいのです。
事務所は構えた方がいいのか?
事務所は軌道に乗るまで無理して構える必要はないでしょう。
自宅で開業し、業務を受けることが出来るのならそれで十分。
事務所を構えるのは、どうしても人を増員しなければならない場合と考えた方がいいですね。
町の中華料理屋さんがつぶれない理由もこれです。
新しくできたラーメン屋とかオシャレなイタリアンや居酒屋なんて、ある日気付いたらチェーン店に変わってた。
なんてことはよくある話です。
なぜ町の中華が強いのか?
自宅兼お店だからなんですね。
居酒屋をやるのであれば、当然ホールスタッフ、調理スタッフなどを雇う必要がありますし、店舗の賃料もかかります。
ですが、町中華であればお店は自宅と兼ねていて、従業員は家族で回せばいいんです。
無駄を極力排除しているから、昔ながらのラーメンとかチャーハンの味でも十分商売として成り立つんですね。
どうしても人を雇用したい、事務所を構えたいという起業家精神の強い人はリスク承知で構えるべきですが、個人事業主で行きたいという人は絶対に無理して事務所を借りてはいけません。
まとめ
社労士に限らず独立に踏み切れない人は、完璧な準備ができるまで行動に移さないタイプなんじゃないでしょうか?
水泳を覚えるのに陸上でフォームの練習ばっかりやってても絶対に泳げるようにはなりません。
水泳を覚えたいのならまず水の中に飛び込む。
水中でもがいて苦しんではじめて泳げるようになる。
水に飛び込まないと何も始まらない。
まずは一歩踏み出す勇気を持たないと開業までたどり着くことは出来ません。