社労士資格を取得して、いざ開業準備。
しかし、実務経験もないし、実績もない。
金なしコネなしノウハウなし。
こんなんで開業してやっていけるのだろうか?
その不安につけこむ悪い人がいるんです。
目次
社労士開業塾にダマされないために
社労士開業塾のワナ
社労士試験に合格後、2年間の実務経験のない方が登録するためには、事務指定講習を受講する必要があります。
事務指定講習は、実務経験のない社労士を数日間の研修で無理やり経験者に変身させてくれる、ステキなシステムですw
灼熱の社労士試験合格すると約1年後、また真夏ごろに事務指定講習は開催されます。
おかげで2年連続で夏季休暇を棒にふりましたww
平日の4日間朝から晩まで研修を受け、ようやく修了認定がもらえる。
事務指定講習って相当需要があるんでしょうか?
それとも詰め込みすぎなのか、会場はいつも超満員。
3人掛けのテーブルに3人ギューギューに座ってぎりぎりくらいのキャパに社労士の卵が集められて開催されます。
今思い出しても苦痛というか大変というか、それでも充実感はあるんですがね。
で、問題なのはその帰宅時です。
私は、東京有明の会場で受講したんですが、事務指定講習終了後の社労士の卵を狙い撃ちするように待っているのが社労士開業講座の勧誘。
事務指定講習を受ける人たちって「私は社労士ですが実務経験が一切ありません」という看板を背負って歩いているようなもの。
開業塾の人たちからみれば鴨が葱を背負って来る状態なんですね。
東京有明の会場の外って、普段それほど人通りが多いわけでもないんですが、そこにポツポツと陣取っている人たち。
その人たちがいわゆる「ひよこ食い」と呼ばれる人たちなのです。
ひよこ食いって?
ひよこ食いって主に新人向けのサービスに使われる言葉のようですが、一般企業に勤めている人はあまり耳にしないかもしれません。
ひよこ食いは、その名の通り、右も左もわからないひよこのような存在を食い物にして、利益を上げる行為のことと考えていいでしょう。
主に資格業の開業塾でよく問題視される事象なんですが、なぜ資格業でこんなことが頻繁におこるのか?
それは資格業のビジネスモデルからくるものなんです。
資格業は、資格を取ってからが勝負です。
ですが、多くの資格取得者は資格を取ることに全精力を費やし、資格取得後のビジネスの展開まで考えている人はほとんどいません。
ですので、多くの労力を尽くし、いざ難関資格を取得したはいいが、ここからどうやって資格を活かしてビジネスをしていけばいいかわからないのです。
そこに目を付けたのが、ある程度のノウハウを身に着けた開業塾の人たち。
開業塾は、このひよこたちに目を付け、資格を取っても今のままじゃ絶対独立しても成功しませんよ。
と不安をあおり、自身の塾に勧誘してお金を稼ぐわけです。
ホントよくできたビジネスです。
もちろん開業塾を経て成功する人もいるのは事実ですが、高額の開業塾に入ろうと思っているとした、ちょっと待ってください。
こちらの3つの話を聞いてから入塾を決断してみてはいかがでしょうか?
1,高額の講義
開業塾の費用は高額です。
安価な塾でも10万円以下では受講できないんじゃないでしょうか?
ですが、本当にそれだけ高額の内容を実施してくるのか?
ここ数年、社労士会ではこのような高額の塾に通わなくてもいいような講義を開催してくれています。
実際私も健康保険の手続きと労働保険の手続きのセミナーを受講したのですが、どちらも料金は1,000円でした。
分厚い本を配布され、専門の社会保険労務士が懇切丁寧におしえてくれます。
おそらく開業塾なら数万円かかるような講義が野口英世先生1枚で受けられるのです。
また社労士の実務は最悪わからなくても労基署やハローワーク、年金事務所に質問すれば答えてもらえますし教えてもらえます。
実務を覚えるのは、研修ではなく実務だけ。
値段は関係ありません。
2,ブランディングという教え
多くの稼げる系の開業塾などでは、ブランディングの重要性を解いてきます。
名を目出させるようにするだとか、〇〇専門家として専門性をアピールしろだとか。
ブログやホームページのデザインをと言っては、さらにその料金まで追加で請求してきたりするんですね。
私もこんな活動してたことありました。
名刺用の似顔絵を発注したり、アメブロをカスタマイズしたり。
で、専門性をアピールしろって言われても、その専門性がまだないから困っているはず。
ひよこなのに専門性なんてあるはずない。
それをすでにブランド力のある先生と比較されたら、あぁそうしなきゃいけないのか・・と押されてしまうんですね。
こちらの書籍でもブランド力よりも社労士としての誠実な実務力が大事だと解説されています。
ブランディングなんて言葉を連呼してくるような開業塾は、そもそも危険と考えた方がいいです。
3,開業塾なんてほとんど通っていない
私はそれほど多くの社労士先生と交流しているわけではないんですが、知り合った皆様は誰一人開業塾なんて通っていません。
社労士として修業を積んでから開業した先生は多くいらっしゃるようですが、皆さん独自に顧客を開拓してコツコツと業務を広げています。
社労士試験の受験はノウハウがものを言います。
ですが、ビジネスはノウハウだけを仕入れてもそのまま役に立つわけじゃありません。
実は、私は以前ある副業講座の塾に入ったことがあるんです。
費用は4万円でした。
ですが、入塾後6か月たって回収できた金額は2千円でしたw
もちろん自分に才能がなかったのかもしれませんが、ノウハウだけ仕入れても何の役にも立たないという良い例でしょう。
ビジネスを成功させるには、ある程度の基本さえあればあとは創意工夫とたゆまぬ努力です。
人から見聞きした情報だけで事務所を切り盛りできるわけがありません。
まとめ
私もある社労士開業塾に入ろうと思ったことがあり、開業塾の説明会に参加したことがありました。
説明会が終わった後、懇親会があったので参加させてもらったのですが、その講師がこうもらしてしまったのです。
「大体、人にビジネスのノウハウを教えてもらおうなんて気持ちの奴が成功できる訳がない」
かなりの爆弾発言だったのですが、ホントその通りだなぁと思い入塾をやめました。
もちろん、中には自分で開業塾を開き、のれん分けをして独立させるような懐の深い先生もいらっしゃいます。
自身の成功をみんなに分け合いたいと思っていらっしゃる塾の先生もいらっしゃいます。
ただ、中にはただひよこを食い物にしてお金を稼いでやろう!と思っている業者の方が断然多いのも事実です。
優良な開業塾もあるんですが、中には悪徳な開業塾もある。
見極めは簡単ではありません。
メルマガや説明会では、甘い声をかけて誘ってきます。
しかし蓋をあければ、役にも立たない講義と一度入ったら抜けられない過金の嵐。
こんな塾に入るより、自分の経験を積んだ方がよっぽどいい。
開業塾を検討された方は、今一度この記事を見返してほしいところです。