社労士試験は、もはや独学で合格できる試験ではありません。
当ブログでは、何度か社労士試験に独学で挑戦することは推奨しないということを伝えてきましたが、なぜ独学での合格は難しいのか?
改めて解説してみます。
社労士は独学では合格できない
社労士は法律の試験
社労士試験は、紛れもなく法律の試験です。
- 労働基準法
- 安全衛生法
- 労災保険法
- 雇用保険法
- 労働保険料の徴収等に関する法律
- 健康保険法
- 厚生年金保険法
- 国民年金法
上記のメインの法律に加え、労働契約法、労働組合法、労働者派遣法、国民健康保険法、船員保険法、確定拠出年金法・・・・
20種類以上の法律に関する専門的知識を問う試験なのです。
法律の学習は、学生時代法学部で労働関連の法律を学んでいたというようなレアな人でもない限り、理解することは容易ではありません。
難解な表現、独特の言い回し、複雑に絡み合った条文など、全くの素人だとなかなか頭に入ってこないのです。
私自身、二度目の受験の際に動画のない通信講座のみというほぼ独学状態で勉強しましたが、模擬試験の点数が伸びることはありませんでした。
点数が伸びないということは、ベース部分を理解できていないということなんです。
法律の学習は、自分でテキストを読み込んだくらいで理解できるものではないんですね。
専任の講師が、テキストに加えて図や表を駆使してわかりやすく解説してくれることでようやく理解できていく。
その理解の積み重ねが、高得点に繋がっていくんです。
社労士試験は暗記も必要ですが、理解も不可欠なのです。
だから独学で自分だけの解釈で理解しようとしていまうと、ベースの知識がブレブレになってしまうのです。
難易度の上昇
2018年第50回社労士試験の合格率は6.3%でした。
2015年の2パーセント台に比べれば多少落ち着いては来ましたが、それでも10%台に届くことは今後ないと考えたほうがいいでしょう。
受験者数4万人程度で、合格者はわずか2000名程度に絞られています。
近年明らかに試験の難易度が上がっているんです。
社労士試験は、現時点ではまだ全問マークシート方式ですが、ここ数年は組み合わせ問題や個数問題が増加してますので、同じ形式でも確実に難しくなっています。
これからの社労士試験は、暗記だけでは到底太刀打ちできません。
もちろん、暗記が大事な試験ではあるんですが、理解が着いてきていないと個数問題など複数正当を探す問題には対応できません。
年々難しくなっていく試験、これを一人で攻略するというのはハッキリ言って無茶なのです。
教材選びと教材の質
独学の場合、苦労するのが教材選び。
資格学校に行けば、独自のテキストを配布してくれますので、それを信じてやり切ればいい。
ですが独学の場合は、すべて自分でチョイスしなければいけません。
数ある参考書の中からどれを選べばいいのか?
迷っているだけで時間が過ぎて行ってしまいます。
また、資格学校のように答練的な問題集というものがありません。
資格学校の答練は、近年の出題傾向に沿った戦略的な作りになっています。
市販の問題集とは全く作りが違いますので、その点でも独学者は立ち遅れてしまうのです。
一般常識対策に対応できない
社労士試験でキーポイントになるのは一般常識対策です。
今年も選択式社会保険の一般常識は救済科目となりましたし、択一式でも平均点は3.7点と唯一3点台というもっとも難しい科目となっていました。
一般常識科目は、独学では対策の取りようがないんです。
国民年金や厚生年金も難しい科目ですが、それでも一科目で法律は一つです。
ところが、一般常識科目は、一科目に複数の法律がひしめき合っているんです。
さらに対策が困難なのが白書対策。
白書は毎年数問出題されますが、どの白書から出題されるか?予測することは困難を極めます。
厚生労働白書だけで15MBものボリュームがあるというのに、そんな白書が星の数ほど・・は言い過ぎですが数えきれないほどあるんです。
その白書全てに目を通すなんて正気の沙汰じゃありません。
ですが、資格学校の白書対策は、過去の出題傾向を分析し、効率的に学習できるような構成になっています。
ぶっちゃけ、白書対策は資格学校の講義だけやってればいい。
他のものまで手を出す時間が無駄と思えるほどです。
独学ではどうしてもこの手の学習で限界が来てしまうのです。
モチベーションが続かない
これはマインド的な部分なんですが、独学はモチベーションを保つのが本当に難しい。
資格学校では、学習法やスケジュールを管理してくれますし、定期的な実力試験などもあるため、自分の現時点の立ち位置を把握することができます。
また、資格の勉強って孤独なものですが、講師とのコミュニケーションや周りの受講生とのコミュニケーションにより、その孤独を多少なりとも紛らわすことが出来ます。
社労士試験のような、法律の専門的な学習を自宅で一人でコツコツと進めていくには相当な覚悟が必要です。
よほどストイックでないと1年間という長丁場を乗り切れるものではないんです。
しかもサラリーマンとして本業がありながら、その合間を縫って資格の勉強するとなると生半可な意識では勉強は続きません。
定期的に通う学校がある、定期的に見なければいけない講座がある、定期的にテストがある。
このようにメリハリがないと試験勉強を継続させることすら出来ないんです。
独学は時間のムダ
ハッキリと断言します。
全くの初心者が社労士試験に独学で挑戦するという行為は時間のムダです。
資格試験が得意な優秀な方であれば、独学でしかも一発合格なんて離れ業を演じることもあるでしょう。
ですが、それはよほど優秀な方です。
東大だとか京大だとかに現役合格してしまうような優秀な方であれば、独学でも十分可能でしょう。
でもそんな人はほんの一握り。
一般の人たちが社労士試験に挑戦するのであれば、絶対に独学は止めたほうがいいんです。
関西テレビのアナウンサーで、2017年の社労士試験に合格した林弘典アナウンサーも独学での攻略の難しさを痛感し、結局最後の年は通学したとの事でした。
もしあまりお金をかけず、数年かかって合格する予定だからいい。
と考えているのであれば、その考えも捨てるべきです。
資格試験は、時間をかければかけるほど合格率は下がっていく。
今時点のモチベーションを数年後まで維持することは困難を極めるのです。
社労士は、できるだけ短期間で合格して、資格の価値を存分に発揮してほしい資格です。
ダラダラと時間をかけて取るような資格ではないんです。
ですので、まずは独学でと考えている方は、すぐに方向を切り替えてみてください。
あまりお金をかけたくないのであれば、こちらの教材を使ってみましょう。