退職したいけど会社を辞められない。
会社から引き留められて退職届を受理してもらえない。
そんな人たちのための退職代行サービスがここ数年話題になっています。
どうしても会社に行きたくない。
社長に会いたくない。
いくら言っても辞めさせてもらえない。
という最悪の場合には、退職代行サービスを検討することは悪いことではありません。
ですが・・・
面倒な続き不要!明日から会社に行かなくても大丈夫!
とちょっと過激な売り文句もあるようですが、勘違いしてはイケません。
いくらなんでも全員が全員即日で退職できるワケではありません。
会社は即日辞められるのか?
明日から会社に行かなくていい
もう今の会社辞めたいし、上司とかに説明するのウザいから退職代行サービス使って今日で辞めちゃおう。
いくらなんでも今日その日のうちに会社を辞められると思うのは非常に危険です。
そもそも会社を辞めるためには、民法の規定により2週間前に会社に退職の意思を伝えれば辞めることは可能です。
なので2週間は辞めるとはいえ会社に出社し労働する必要があるんです。
でも明日からもう行きたくない。
そんな場合は有給休暇を使用して休むコトになります。
この有給休暇の取得ですが、就業規則に企業なりの取得方法が明記されている場合は、企業側は全部の有給休暇の取得を許可しないかもしれません。
こうなると退職代行サービスでは手に負えません。
退職代行サービスは、非弁行為(弁護士にしか行えない専門的業務)をすることは認められてませんので、有給休暇の取得を企業側と交渉することは出来ないんです。
有給休暇は労働基準法に定められている権利ですので、強引に行使すれば取得は可能なんですが、退職代行サービスではここまでが限界です。
ですので、退職代行サービスに依頼すれば誰でも即日辞められるってワケじゃありません。
そもそも有給休暇が発生しない人は、欠勤扱いになってしまいますし、懲罰を与えられることだってあるでしょう。
会社を即日辞めるという考えは無くした方がイイ
これまでいろんな退職者のケースを見てきましたが、企業側が即日の退職を認めるのは、精神的に病んでいるようなケースです。
もう明日から出社はムリ。
これ以上会社に行くことは出来ない。
そんな場合、無理して会社に出社させても双方にとって何にもいいことはありません。
そんな時は、会社側も即日での退職を推奨するでしょう。
ですが、それ以外のケースで明日から会社に来なくてもイイ!という考えが広まってしまうと会社側はどうなるでしょうか?
例えばあなたを中心にシフトが組まれている会社があるとします。
少ないメンバーで回しているシフトのため、休みもみんなで調整しながらやりくりしている。
そんなほとんど余裕がないシフトだというのに、明日から抜けます!となった時どうなりますか?
仮に同僚が休みを調整して旅行を企画していた場合、一人抜けたシフトの補填のために旅行をキャンセルしなきゃならないことだってあるでしょう。
会社に所属している、会社の一員になっているということは、少なからず役割が与えられているはずです。
その役割を他の人に引き継がずに即日退職してしまったら、会社の運営だって成り立ちません。
中には一人の社員が抜けたら回らなくなるような状況にしている会社が悪いという意見の人もいますが、人材難の今の時代、そんなにすぐに補填できるメンバーが見つかるはずがありません。
例え見つかったにしても一人前に回せるようになるまでは、ある程度の時間が必要です。
その時間を補うことくらいは、退職する人の役目なのではないでしょうか?
就業規則は無視してもイイというものではありません。
就業規則をぶっちぎって強引に退職するような行為をしてしまうと、次の会社でも就業規則に対する意識が希薄になってしまいます。
就業規則は10人以上の社員を雇用している会社は作成する義務があります。
作成された就業規則は、社員全員が順守する責務があるのです。
まとめ
退職代行サービスを利用することは決して悪いことではなくむしろ有効的に利用すべきと思っています。
会社を辞めにくくて踏ん切りがつなないという人は、このような代行サービスを利用した方がスムーズに辞められるでしょう。
ですが、就業規則も会社のルールもマナーも迷惑も考えないような強引な利用方法をするのであれば、あまり推奨できません。
会社を辞める時は、極力双方が揉めない着地点を模索すべきです。
それができない場合に利用するのが代行サービス。
強引に権利を行使するために利用するのは避けるべきなのではないでしょうか。
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