新型コロナウイルスの影響は、予想をはるかに超え、世界中でパンデミック状態になるほどの事態に発展しています。
史上初めて緊急事態宣言が発令され、日本中が自宅での自粛を余儀なくされています。
経済も停滞し、中小企業の経営は危機的状況を迎えているかもしれません。
ですが、決して諦めないでください。
コロナウイルスの影響を受け、政府は様々な特例措置を講じています。
ここでは、中小企業向けの雇用調整助成金の特定措置に関して出来るだけわかりやすく解説してみます。
目次
雇用調整助成金の特定措置
雇用調整助成金とは?
雇用調整助成金とは、その名の通り雇用を守るための助成金です。
今回のような不況の影響で、中小企業が従業員を解雇し、労働者の働き先がなくなると失業者で溢れてしまいます。
そんな状況を防ぐために、従業員を解雇せず雇用を継続してくれたらその分国が助成しますよ!という制度です。
今回の特例措置の概要
今回のコロナウイルスの影響を受け、この雇用調整助成金に特例措置が講じられています。
厚生労働省が発表している動画を紹介しておきます。
今回の特例措置の大きな点は以下となります。
- 1か月の売り上げが5%低下
- 中小企業は給与の9割を国が負担
- 事後の計画届を認める
1は、前年比で月の売り上げが5%減となります。
2は、通常なら6割負担なんですが、特例措置として9割負担となります。
3は、通常の場合休業の計画届を事前に提出する必要があったのですが、特例措置として事後の提出も認めるようになっています。
どんな会社が申請できるのか?
今回の記事では中小企業向けとしていますが、雇用調整助成金は中小だけではなく大企業も申請可能です。
条件としては雇用保険に加入している会社で、上記の売り上げ減などの要件を満たしている会社となります。
従業員を休業させる場合、労働者の同意を得る(いわゆる労使協定)必要がありますので、中小企業の場合は労働者の代表と同意を取っておきましょう。
労使協定の解説はこちらをご覧ください。
労使協定って何?労働者の代表なんてウチの会社にいないよ!申請方法は?
申請方法は厚生労働省のホームページにわかりやすく記載されています。
ここでは細かい解説は省きますが、もし面倒な方は専門の社会保険労務士にご相談ください。
助成金は返金する必要はあるのか?
助成金は原則返金の必要はありません。
雇用調整助成金も当然返金する必要はありませんので、自身の会社と労働者の生活を守るためなら積極的に申請すべきです。
不正受給に関して
助成金を受け取るために売り上げを操作したり、従業員を水増ししたり等の不正受給が発覚した場合、発覚した時点から全額返金、事業者の公表など厳しい処分が行われます。
定期的に立ち入り検査も行われますので、くれぐれも不正行為はしないようご注意ください。
助成金で救われた会社は山ほどあります
中には助成金を受け取ることを恥ずかしいと感じる社長さんもいらっしゃるようですが、まったくそんなことはありません。
実際、2008年のリーマンショックの時にも特例措置が行われましたが、雇用調整助成金により倒産を免れた会社は山ほどあります。
今回のような緊急事態は、経営者の想定をはるかに超えている事態です。
自分の会社を守るため、労働者の生活を守るためにも、必要な助成金は積極的に申請することをおススメします。
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