社会保険労務士(以下社労士)は就職・転職できない?
就職・転職に有利な資格と聞いて、合格率数パーセントの難関国家資格社労士を取ったのに全然就職・転職につながらない。
そんな話を耳にすることがあるのですが、ハッキリ言ってこれは都市伝説でしかありません。
実際に実務未経験の社労士資格者が転職活動をした経験を元にお伝えしてみます。
目次
社労士は就職・転職できないのか?
社労士資格で転職活動をしてみた
実際に数年前、社労士資格を活かして転職活動をしてみました。
一応簡単なスペックをご紹介しておきます。
40代男性
保有資格:社労士、FP3級、漢検2級その他IT系資格
経歴:システムエンジニアとして15年以上
社労士としての実務経験:小さな会社の補助程度
経歴にある通り、社労士としての実務経験はそれほどありませんでした。
当時は本職がシステムエンジニアで、その傍ら社労士資格を取得したものですから、総務・人事の仕事をベッタリと張り付きでしていた訳ではないんです。
もちろん社内の管理業務や労務のサポート、人事・教育のフォローなどはしてましたが、総務の専門家ではありませんでした。
この経歴でどれくらい転職先があるのか?
自分の立ち位置を把握したかったので転職活動をしてみました。
転職活動の詳細
まずは手っ取り早く大手の転職サイト【リクナビNEXT】に登録。
今では士業専門の転職サイトもあるようですので、こちらに登録した方が希望通りの案件が多いのでおススメです。
その後、大手や中小のの転職エージェントにいくつか登録し、反応を待ってみました。
その結果、案件数は自分の想定以上に入りました。
大手のエージェントからは30社以上のオファーがあり、中小からもポツポツと案件を紹介されました。
ただこの時感じたのは、転職エージェントって差がハゲしいということ。
親身になって話を聞いて、極力求人者の希望に沿った案件を探してくれるエージェントもいました。
逆に、全く話を聞き入れないようなエージェントとか、アポを取っているのにドタキャンしたり、連絡しても返信をしてこないようなエージェントもかなりいたのが事実です。
転職エージェントってまさにピンキリってことをこの時学びました。
転職活動の感触
エージェントに紹介された会社といくつか面接させていただきました。
当然ながら具体的な会社名は出せませんので参考までに。
- 大手の不動産会社
- 老舗の事業会社
- 小さなIT企業
大手不動産会社の条件は驚くほど良かったのですが、残念ながらこちらは縁がなかったようです。
老舗の事業会社は、面接後他の希望者に決まってしまったとのことでした。
小さなIT企業からは内内定をいただきましたが、条件面が折り合わず辞退させていただきました。
未経験だと年収増は厳しい
40代で実務経験が乏しい場合、確かに資格だけで好条件の会社への転職は難しいかもしれません。
とはいえ、それはあくまでも私個人のモノサシです。
システムエンジニアとして長く勤めているため、IT業界の待遇に慣れてしまっているようで・・・
総務人事担当の条件から考えれば、そこそこの条件だったのかもしれません。
経験者であれば好条件
逆に社労士という国家資格プラスアルファ、そこそこの経験があれば好条件の案件はゴロゴロ転がっているようです。
もちろん、人事・労務という立ち位置は案件数が無数にあるというわけではありませんが、経験値の低かった私のもとにもオファーは次々届きましたので。
社労士資格必須という案件も結構あり、やっぱり資格を持っていると持ってないじゃ雲泥の差になります。
経験10年以上になれば、年収800万円から1,000万円以上の案件もありましたので、やっぱり社労士はプラチナ資格と言うことを認識させられました。
社労士資格で就職・転職できる?
当時の転職活動では、社労士として転職することはしませんでしたが、おそらく本気で転職する気なら1~3か月で転職先は見つかったと思います。
自分的に条件面で下げることは許容できなかったので入社はしませんでしたが、多少条件面を妥協すればかなりの案件がみつかりました。
40代実務経験はあまりない有資格者という条件ならば、年収ベースで450~500万円くらいで探せば相当数見つかると思います。
資格以外に大事なこと
とはいえ、いくらなんでも資格だけでは就職・転職はできません。
資格プラスアルファの経歴などは必須かもしれません。
- 社会人経験
- 管理職経験
- 採用経験
- 教育経験
- 人事経験
- パソコンスキル
- 語学能力
総務の専門家ではなかったけど、管理職としての経験が豊富という人や、社内の教育部門で働いていたとか、採用をやっていたとなれば、資格だけじゃない経歴をアピールすることが出来ます。
またパソコンに関するスキルは、社労士としてはもはや必須です。
Word・Excelなんて使えて当たり前。
電子申請はもちろん、給与計算や労務管理ソフトもパソコンでの操作になりますので、パソコン苦手というのは通用しないかもしれません。
さらに語学力があれば、資格プラスアルファとしては大きなメリットです。
国際化社会になり、外国人雇用も活発になっていますので、語学に強い社労士は企業にとって重宝する人材です。
社労士の仕事探し
社労士に限らず資格はペーパーだけでは効果を発揮しにくいものです。
社労士としての価値を上げるためには、経験を積んでおくことが何よりも大事。
とりあえず資格さえ取得しておけば、求人もありますし、仕事にありつくことはそれほど難しくありません。
社労士で就職・転職できないなんて完全な都市伝説です。
本気で転職をお考えの方は、早めに転職サイトへ登録し情報収集をしておきましょう。
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